遺言

遺言

遺言書(自筆・公正証書)作成

故人の最後の意思表示、家族・兄弟・世話になった方に対する想いをこめて書く、今までの感謝の気持ちを込めて、または、憎しみを込めて。
法定相続(注1)通りの相続ではあなたの想いが伝わらない場合、あなたの想いを伝え、かなえる方法、それが遺言書です。

例)妻に家だけは残したい、借金まみれの息子には一銭もやらん、今まで世話になった方に残したい、今まで親の世話したので、その分を取り戻したい、事実婚のパートナーとの子供を認知したい、このひとに遺言執行者をやってもらいたい、etc…

※兄弟姉妹以外は、遺留分(注2)があるため遺留分を超えて相続したときは、「遺留分減殺請求」の対象になります。

確実に想いを伝え、後に残すため、後悔のない人生のエンディングのためにお手伝いします。

 

何のために書く?

遺言書の作成を提案すると、「うちは財産持ってないから」
という方が、少なからずいらっしゃいます。

家庭裁判所の統計で、遺産分割調停を申立てるケース。

総財産額5000万円以下の方が44.0%1000万以下で29.3%。
つまり5000万円以下で、73.3%になります。

しかも、調停終結までの平均日数が12か月になっています。

持ってなくてモメています。

財産の額にかかわらず、相続の手続きは必ずやってきます。

 

遺言書を書く前にすること

 

自分の持っている財産の棚卸をする

自分名義の、財産(不動産、預貯金、有価証券等)の一覧をつくる

できれば、金銭的価値(価格)も入れるとわかりやすい

なお、預貯金等の金銭的財産は変動分を考慮すべきだが、予測不可能な場合が多いので

現有財産で考慮する。

 

一覧ができたら、具体的に誰に、何を相続させるか決める

その際、考慮すべき点として、各相続人に公平に配分するか、差をつけるか。例えば介護等で自分へのサポートを厚くしてくれた人への配分を多めにするか(逆に、生前に金銭的援助をしていた人へは、その分減額することも)考慮する。

法定相続分(注1)や遺留分(注2)も参考にして、とくに遺留分を侵害する場合は慎重に検討して、それでも侵害する配分にする場合は、きちんと理由も説明できるようにする。

また、相続人以外にも受け取ってもらいたい財産がある場合(いわゆる遺贈させたい場合)は、それに関しても同様に理由が説明できるようにしておいたほうがいいでしょう。

 

遺言の方式を決める

自分で書くか、第三者に書いてもらうか、詳しくは次の項目以降ご覧ください。

 

遺言執行者を決める

[遺言執行者とは]

遺言執行者とは、相続開始後、遺言者にかわって遺言内容の実現を行う人者の事を言います。

遺言者は遺言で、複数若しくは1人の遺言執行者を指定します。

指定遺言執行者が存在しないとき、または一度就職した遺言執行者が死亡その他の事由で存在しなくなったときは、家庭裁判所が利害関係人の請求によってこれを選任することができます。これを選定遺言執行者といいます。

 

[指定遺言執行者]

・指定の方法
遺言執行者の指定は必ず遺言によらなければなりません。
遺言の内容、遺言の作成された経緯など、総合的に遺言執行者の指定がなされていると判断できれば足り、必ずしも遺言執行者という表示をする必要はありません。
指定の遺言が効力を生じても、指定された者には遺言執行者となるか否かについて諾否する自由があり、承諾後に遺言執行者となります。
指定者が遺言執行者への就任について回答を行わない場合、相続人その他の利害関係人は、相当の期間を定めてその期間内に承認するか否か回答するように催告することができ、期間内に回答しなかったときは遺言執行者への就任を承諾したものとみなされます。

 

[遺言執行者の資格]
行為無能力者及び破産者は、遺言執行者となることができません。

 

[選定遺言執行者]
遺言執行者が遺言で指定されていないとき、または指定された遺言執行者が死亡等によりいなくなった場合は、利害関係人の請求によって、家庭裁判所で遺言執行者を選任することができます。
利害関係人とは、相続人、受遺者、これらの者の債権者または不在者財産管理人、相続債権者および相続財産管理人等を指します。
家庭裁判所は、遺言の内容から遺言の執行を必要と判断すれば、遺言執行者選任の審判を行います。選任の審判をするには、必ず候補者の意見を聴くこととなっています。

 

[遺言執行者が行うべき事]

(1)財産目録の調製

遺言執行者は、相続財産の目録を調製して相続人に交付します。 相続人の請求があるときは、その立会のもとに財産目録を調製し、もしくは公証人にこれを調製させなければなりません。公証人に財産目録を調製させる場合には、相続人の立会いが必要です。 財産目録調製の方式についてはとくに規定はありませんが、資産及び負債をともに掲げ、調製の日付を記載して、遺言執行者が署名するのが通常です。

(2)遺言の執行

遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有します。 しかし、執行すべきことは遺言の内容によって異なり、すべての遺言執行者が同一の権限を有するわけではありません。

 

[遺言認知]

遺言で認知がなされている場合、遺言執行者は、就職の日から10日以内に戸籍上の届出をしなければなりません。 成年の子の場合にはその承諾、胎児の認知の場合にはその母の承諾、成年の直系卑属を残して死亡した子の認知の場合にはその直系卑属の承諾が必要ですが、この承諾を得ることも遺言執行者の職務です。

 

[相続人の廃除および廃除の取消]

遺言による相続人の廃除および廃除の取消については、遺言執行者は家庭裁判所にその請求をなし、確定後に戸籍上の届出をする必要があります。 審判が確定するまでの間、遺言執行者は利害関係人として、家庭裁判所に対して、相続財産管理人の選任その他相続財産の管理に必要な処分を請求することができます。

 

[執行を要しない事項]

相続分の指定及びその委託、特別受益者の相続分に関する意思表示、遺産分割方法の指定またはその委託、遺産分割の禁止については格別な執行を要しないとされています。 また、後見人の指定及び後見監督人の指定は、遺言の効力が発生すると同時に効力が生じ、戸籍上の届出も後見人、後見監督人がなすべきものとされています。

 

[遺言執行者の解任・辞任]

遺言執行者が任務を怠ったとき、その他正当な事由があるときは、利害関係人の請求によって、家庭裁判所は遺言執行者を解任することができます。 遺言執行者の側でも、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て辞任することができます。

 

自分で書く(自筆証書遺言、民法968条)

【メリット】
○もっとも手軽に作成できる。
○費用がかからない。
○内容が誰にも知られない。
○証人不要。

【デメリット】
●自分で書く手間がかかる(代筆、PC不可)。
●様式不備で無効になることがある。
●偽造・紛失・盗難の恐れあり。
●死後発見されないことがある。
●開封に家庭裁判所の検認手続きが必要。
(検認前に開封すると、罰則あり)

 

自分で書く(秘密証書遺言、民法970条)

【メリット】
○本文は、自筆でなくても可(PC、代筆可)。
※署名は必ず自筆、捺印をする。
○内容が誰にも知られない。

【デメリット】
●手間がかかる(自分で作成した遺言書を封印して公証役場で証明を受ける)。
●様式不備で無効になることがある。
●公証人や証人の費用がかかる。
●保管は遺言者が行う→紛失の危険あり。
●※実際には、ほとんど利用されていない。

 

第三者が作成(公証人が作成、公正証書遺言、民法969条)

【メリット】
○様式不備で無効になるおそれがない。
○原本を公証役場で保管、偽造・紛失のおそれがない。
○検認手続きが不要、すぐ開封できる。
○寝たきりや、目が見えなくても作成できる。

【デメリット】
●公証人や証人の費用がかかる。
●内容が、公証人や証人に知られる。


注1)法定相続分
民法で決められた取り分のこと、各法定相続人の取り分は次のようになります(民法900)。
①相続人が配偶者と被相続人の子供⇒配偶者2分の1、子供2分の1
②相続人が配偶者と被相続人の父母⇒配偶者3分の2、父母3分の1
③相続人が配偶者と被相続人の兄弟⇒配偶者4分の3、兄弟4分の1
なお、子供、父母、兄弟がそれぞれ2人以上いるときは、原則として均等に分けます。

注2)遺留分とは、民法で定められている一定の相続人が最低限相続できる財産のことをいいます(民法1028)。
遺留分が保証されている相続人は、配偶者、子供、父母です。法定相続人の第3順位である兄弟は、遺留分を保証されていません。
遺留分として請求できるのは、配偶者や子供が法定相続人にいる場合は相続財産の2分の1、法定相続人が親だけの場合は、相続財産の3分の1

 

遺言に関してのよくあるご質問

ノートの切れ端に書いたものでも良いのでしょうか?
様式(全文手書き、日付入り、捺印あり)と内容さえクリアしていれば問題ありません。ただし、有効なものにするには、家庭裁判所の検認手続きが必要です。
遺言書が複数出てきた場合どうなるの?
基本的にすべて有効です。ただし、対象が同じものについては、新しい遺言書が優先されます。
たとえば、土地の相続について、遺言書Aでは妻に、同じくBでは長男にとなっていた場合、遺言書の日付が新しいほうが優先されます。
妻あり、子供なし、妻に全財産を残したい。
遺言書にその旨を記載して、様式に不備がなければ有効になります。しかし、被相続人の直系尊属には遺留分があるので注意して下さい(遺留分が優先されます)。
なお、兄弟姉妹には遺留分はないので、相続させたくない兄弟姉妹がいる場合は、遺言書を作成することをお勧めします。
公正証書遺言の保管期間は
原則20年(公証人法施行規則27条1項)となっていますが、期間経過後でも、遺言者が存命している場合もあるので20年を経過しても、保管されているのが通常です。
遺産分割が終わったあとに遺言書が出てきた場合どうなる

遺言書は、亡くなった方の最終のメッセージです。心情的には優先するべきですが、必ずしもそうとは限らず相続人全員が合意すれば、遺産分割協議どおりの内容で財産をわけても構いません。

ただし、後から発見された遺言書の内容を確認後、相続人の誰かが先に行われた遺産分割協議の内容に同意しない場合、再分割の協議が必要になります。遺言書の中に「子どもの認知」や「第三者への遺贈」に関する内容があった場合も、再分割の協議が必要です。そして、再分割された相続財産は、贈与税の対象となるおそれがあるので、税理士等の専門家に相談することをお勧めします。

(たとえば、不動産の名義が最初の分割でA名義になり、再分割の結果B名義になった場合、A⇒Bの名義変更が贈与にあたるおそれがあります)

なお、相続人全員が合意すれば、遺言内容とちがった内容の遺産分割も可能です。出てきた遺言書が、自筆証書遺言だったら家庭裁判所の検認が必要になるので、その場で開封せず家庭裁判所に行って下さい。

 

遺言書がないとどうなりますか?

相続の手続きおいて、遺産分割協議が必要になり、まず相続人の間で話し合いを行わなければならず、とくに、一度も会ったことがない親戚と協議しなければならない場合では、なかなかスケジュールが合わず、時間がかかり、相続人への負担が大きい。

一方、遺言書がある場合は、不動産の名義変更や預貯金、有価証券などの解約・名義変更、貸金庫の開扉、内容物の受領や解約等の煩雑な手続がスムーズに進みます。とくに、遺言執行者の指定がある場合は、すべて執行者が事務手続きを進めるので、相続人の負担はかなり軽減されます。

妻が全部相続するという遺言書を書いたがその後離婚してしまった場合どうなる?

例えば、妻・〇〇□□子にというような記述になっていれば、受け取る人物が特定できるので、離婚したあとは「相続する」を「遺贈する」に読み替えて解釈することができるので、遺言書通りに受け取ることは可能です。

 

遺言執行者ってどんなことをするのですか?

遺言書の内容を実現する人のことです。
遺言書の内容、趣旨に沿って、相続人の代理人として相続財産を管理し、例えば、不動産の名義変更、被相続人名義の預貯金を解約・名義変更など各種の手続きを行います。
遺言書で指定する場合と、家庭裁判所に選任の申立して決める場合があります。

 

この遺言執行者の指定は、必須事項ではありませんが、遺言の内容・趣旨にそって実現するにあたり、認知、相続登記、遺贈等、煩雑な手続きが必要な場合や、相続人間での紛争が起きそうなおそれがある場合は、指定しておいたほうがいいでしょう。

 

遺言書の存在を知る方法ってありますか?

自筆の場合は、誰にも言わず保管されていることが多いので亡くなった方の住居や遺品の中から探すしか方法はありません。いっぽう、公正証書の場合は、「公正証書遺言検索システム」というのがあり、法定相続人、受遺者、遺言執行者などの利害関係人であれば、どこの公証役場でもシステムの利用が可能です。
ただし、被相続人が亡くなったこと、および利用者が利害関係人であることを証明する書類、本人確認資料が必要になります。

 

 

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